滴仙会も昨年10周年を迎え、今年は新たなスタートを切る年として、
幹部役員の推薦により選抜された作家9名による『滴仙会新鋭展(仮)』を、
第11回滴仙会書法展の特別展として併催していただくことになりました。
「この展覧会は、次世代を担う若手作家の日頃の研鑽の成果発表及び育成の場になればという趣旨のもと企画されたのもで、
選抜された作家が、企画から展示等全てにわたり自分たちで完結することを目標としています。」
という事で、私もメンバーに入れて頂きました。
●第11回滴仙会書法展併催 滴仙会新鋭展(仮)出品者9名
荒川瑠川・遠藤玄清・岡西光剡・小郷翔空・小松璐秋・小室珠雪・西本聖雲・室田清葉・吉田柏蓮
2月24日の1回目の顔合わせをし、
3月11日午前9時より滴仙会事務所で選抜作家(この日は遠方2名は欠席の為、計7名)による
(正式な)第1回目の企画会議が行われました。
この日は、「新鋭展(仮)」の正式名称、開催までの流れ、作品体裁などが話し合われ、
それぞれの今回の展覧会に対する意気込みや思いが窺えた実りある会議となりました。
そして、名称を「九層展」と名付け本格的に始動することとなりました。
「九層」とは?…
老子六十四章の中に次のような一節があります。「九層の台(うてな)も累土(るいど)より起こる」これは「九層の高殿も、ひと盛りの土を積み上げるところから築き始められる。小さな努力の積み重ねが、大きな成果を生み出す」という意味で、今回名付けた「九層」はここから拝借したものです。
個々の力はわずかでも、皆で力を合わせれば大きなものを成し遂げられるのではないか、という思いを込めて名付けました。ちょうど人数も9名、何か運命めいたものも感じましたし…
…とは言っても、全てが初めての経験。皆が、何から始めていけばよいのか、どのように動いていけばよいのか、そこから考えていかなければなりませんでした。
まず、展覧会終了までに何をしなければいけないのか?
もちろん1番は「作品」づくりであることは間違いありません。個々がちゃんとした作品を書き上げた上で、皆で協力し運営を全うすることが何よりの課題です。
そして観に来られた方々に如何に充実した空間を味わっていただけ、且つ作品にそれなりの高い評価をいただけるのかが重要なポイントです。
今回各社中より数名ずつ選抜されたので、書風がそれなりにバラけることは想像出来たのですが、それでも同じ体裁のものが並ぶとあまり変り映えしないということで、出品点数各1点ではなく、大作・古典臨書・小作品の計3点をそれぞれが発表することで皆の意見が一致しました。(そしてその中でも縦横・サイズ・臨書する古典・マットの色・額軸装を多様にすることを心掛けました)
4月16日
出品点数も決まったことだし早速取り掛かろう!と意気込んだものの皆普段書いたことのないサイズや種類ばかりで、どこから手を付けて良いのやら…。
そんな3月下旬、4月16日から21日まで大阪国際会議場にて「第67回日本書芸院展(役員展)」が開催されることを思い出し、役員の先生方の大作が、少しでも作品制作に役立てることが出来ればと思い、開催初日の16日に第2回目の会議も兼ねて集合することが決定しました。
会場を入るや否や眼前に飛び込んでくる大作・大作・大作!やはり日本を代表する書作家の作品が一堂に展示される日本書芸院は規模が違うなぁと見学者は圧倒されっぱなしでした。
そして会場奥に設けられた「魁星作家コーナー」では選抜された10名の作家が12mの壁面に数点ずつ展示!大作を前に自分たちの勉強不足を痛感する見学会となりました…。果たして皆無事作品を仕上げることが出来るのでしょうか…。
この度、会場にて大重会長・伊藤理事長による作品解説を行っていただきました。
会場を後にし昼食をとった後、会場横のリーガロイヤルホテル喫茶にて第3回目の会議を開くことに…。
ここでは、前回宿題としていた案内ハガキの原案を出し合い決定することをメインに話し合われました。
真っ白(=まっさら)のバックに、それぞれが取り組んでいる古典の断片を透かした九つのラインをランダムに配置し、その上に「九層展」の文字だけを入れたシンプルな仕上がりで!
このハガキのように、会場が皆の個性あふれる作品で彩られる日が今から待ち遠しい限りです!
と、企画はどんどん進んでいたのですが、自分の作品はこの時点(5月10日)ではまだ何も書いていませんでした。
やばい!